食べられないムカゴに要注意!好きなら知っておきたいニガカシュウとは
芋が好きなら、ムカゴが好きな方も多いでしょう。ムカゴとは、ヤマイモやナガイモの一部で、小さな球状の芽として地上部分にでき、植物の栄養繁殖器官のひとつといわれています。
果実でも種でもないムカゴですが、栄養価が高く、様々な料理に利用でき、古くから親しまれている食材です。わたしは田舎へ帰省した時に、塩ゆでしたムカゴを食べるのが好きです。おつまみとして気に入っている食材なんですよね~😊
そんなムカゴに食べられないムカゴがあるって、知っていましたか?
その正体はニガカシュウ。今回はこのニガカシュウについて詳しく解説していきます。もちろん食べられるムカゴとの見分け方も取り上げますので、ぜひぜひ最後までチェックしてみてくださいm(_ _)m
Contents
食べられないムカゴ!ニガカシュウの特徴って?
ニガカシュウについて、まずは説明しましょう。
ニガカシュウは山芋の仲間で、繁殖の際にムカゴが育ちますが、食用としては不向きです。ニガカシュウのムカゴは、苦く、また弱い毒性があるともいわれています。日本に自生しているものは食用、薬用にならない雑草とされています。
一方で、西アフリカでは食用にされることもあるようです。乾燥させたり茹でたりすると食べられるとの話があり、茹でると苦味が抑えられるそうです。また、地域によっては病気の治療に使われることもあります。
必死に毒への対処をしてまでニガカシュウを食べているのは、天然のステロイドと呼ばれるジオスゲニンが含まれているから(このジオスゲニンはニガカシュウだけでなく、他のムカゴにも含まれている成分です)。
性ホルモンの分泌の維持が、生活習慣病予防に有効な可能性を持つとして近年注目を集めています。「ジオスゲニン」は、DHEA (性ホルモン前駆体) と類似した化学構造を持っており、山芋類に含有されていて、中でもトゲドコロイモ (クーガイモ) に特に多く含有されていることが報告されています。ジオスゲニン含有食材の長期摂取は、高血糖/インスリン感受性を改善することが判明しており、生活習慣病の予防効果が期待できます。これを利用したサプリメント・運動療法の開発により、性ホルモンを増大させることによる、活き活きとした毎日を送るための新たなアプローチが生み出されることが期待されています。引用元:「トゲドコロイモに含まれるジオスゲニンの最適加工条件の検討」産学連携プロジェクトを開始 | 神戸大学ニュースサイト|神戸大学
生活習慣病の予防となるとかなりの存在感がありますね。西アフリカでは医療を受けるのが大変という場合もあり、こうした民間療法がたくさんあり、その1つがニガカシュウなんでしょう。
と言っても、前述のとおり日本のニガカシュウは食用にも薬用にもなりません。また、食用となるムカゴにも含まれている以上、無理をしてニガカシュウを口にする必要はないですね。
ちなみに他にも、結膜炎、下痢、赤痢やその他の病気の治療のための伝統医学にも利用されているそうです。
しっかりと見定めよう!ニガカシュウと普通のムカゴの見分け方
日本ではニガカシュウのムカゴは食用としては適していないとのことでしたが、では食べられるムカゴとの見分け方はどうすればいいのでしょうか?
見分け方には次のように3つあるといわれています。
SNSに画像をアップしてくださっている方がいらっしゃいましたので、共有させていただきつつそれぞれ詳しくみていきましょう。
実の形の違い
まず、実の形の違いで見分ける方法があります。写真を見比べてみると、実の形に違いがあるのがわかります。
【食べられるムカゴの実】
【ニガカシュウの実】
食べられるムカゴは一般的に小さく、表面が滑らかで、均一な形をしています。
一方で、食べられないムカゴは形や大きさが不規則で、表面がぼこぼこしているものや、ものによって形が違ったりする場合があります。
花の形の違い
花の形の違いによっての見分け方もあります。食べられるムカゴの花とニガカシュウの花の形を見比べてみましょう。
【食べられるムカゴの花】
【ニガカシュウの花】
食べられるムカゴの花は白色で、上向きに咲きます。一方、ニガカシュウの花は白色から紫色の範囲で、下向きに咲きます。
葉の形の違い
また、葉の形の違いで見分けることもできます。
【食べられるムカゴの葉】
【ニガカシュウの葉】
食べられるムカゴの葉は、左右対称につき、細長いハート型をしています。
一方で、ニガカシュウの葉は左右非対称につき、幅の広いハート形をしており、葉と葉柄の接点には特徴的なひだがあります。また、関東より西の地域に分布しているようです。
ところで普通のムカゴに毒性はないの?
ところで、普通の食べられるムカゴには毒性はないのでしょうか?毒性のある種類のものがあるということは、一般的なムカゴにも実はちょっとくらいは…と思ってしまいますよね。
結論、普通に食べられるムカゴには毒性はありません。
もちろん生で食べるものではありませんので、火を通す必要はありますが、毒を気にする必要はないとお考えください。
ちなみにムカゴは発芽しますが、ジャガイモの芽のように毒性はないので、芽が出ていても食べられます。ただ、芽があると食感が良くないので、わたしが食べる時は取り除きます。
より詳しくは以下の記事で合わせて解説しています。ぜひ一度ご覧ください~👍
果実でも種でもない、食べられないムカゴである「ニガシュウ」について、深掘りしました。
栄養が豊富で、いろんな調理法で楽しめるムカゴ、食べたことのない方はぜひ、一度、食べてみてください。とても美味しいですよ。
ただしムカゴだったら、すべて食用ということではなく、中にはとても食べられたものではない種類のものがあるので、ご注意くださいね。
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